Super Topcor 65mm
スーパー トプコール
65mm f7

 スーパー・トプコール W65mm  東京光学 f7 〜45 4群6枚構成(ビオゴンタイプ?)
   イメージサークル148mm
   シャッター セイコーシャSLV B 1 〜 500 M/X接点 
 
 6×9用ということになっていますが、イメージサークルから絞り込めばぎりぎり4×5は何とかなるのでしょう。
 この焦点距離だと6×9のときで35mm換算28mm程度、4×5で使えばは19mm程度のワイドになります。
 又、被写界深度画大きくなっているので、昼間のスナップなら常焦点でカバーできます。
 東京光学のホースマン用の広角レンズで5.6ののイメージサークルは110mmです。
 同じ6×9で使うにしてもf7のスーパーの方がイメージサークルの差からも周辺の歪や周辺光量不足も少なく画質が良くなります。
 さらに、シフトなどのあおりも十分カバーしてくれます。
 このレンズは元来ホースマン用の凹ボードに付いています。取り外すにはシンクロ接点がボードについていると言う不都合もあります。しかし、ホースマンのボードでは使えなので、自作のボードに移植し、センチュリー・グラフィックかクラウン・グラフィックで使います。
 平面ボードにつけてもフィルター無しなら23系のスピグラで前蓋が閉まります。これは常用する上ではありがたいことです。畳めないスプリングカメラはレチナの交換レンズで懲りています。

 試写当日はものすごい霞でした、巻頭の写真など獅子岩が霞の中に浮いたようなものになりました。
 このレンズは一世代前のテッサーなどに比べ、素直なと言うか少し柔らかな感じを受けます。
 決して甘くは無いのですが、『カリカリ』ではないです。
 三枚目は1mでの撮影です。65mmと言う焦点距離にf16ともなるとバックが結構うるさくなります。
 6×9でこの焦点距離のレンズはこうしたものを撮ることは少ないでしょう。ボケは素直なほうでしょう。
 ホースマンのように距離計連動とも行かないので、とりあえず、センチュリー・グラフィックのバウシュ&ロム用にはめ込んだレール脇のスケール書き込み欄に、∞・5m・2m・1mの距離目盛を記入して目測撮影をしました。
 本当なら10mにも目盛りを入れたいのですが、繰り出し代が小さくて無限遠との区別がつきません。ノブをかすかに回すと言う感覚でやるしかないかもしれません。

 下の表は6×9サイズの被写界深度表です。この手のレンズは「開放にしてボケを使う・・・」などと言うものではありません。この表で分かると思いますが、ISO400でも使えば常焦点化してスナップが十分出来ます。
 被写界深度はネガサイズが大きくなるほど、鑑賞するときの拡大率が下がりますから許容範囲が広いと計算されています。 ネガを直接顕微鏡で見て計測する値とは違ってきます。

6×9 2m 3m 5m 7m
f11 1.43 〜 3.33 1.88 〜 7.49 2.51 〜 71.28 2.92 〜 ∞
f16 1.27 〜 4.77 1.60 〜 23.45 2.04 〜 ∞ 2.31 〜 ∞
f22 1.12 〜 9.97 1.36 〜∞ 1.67 〜∞ 1.85 〜 ∞

 下の表は同じ65mmレンズを4×5で使った場合の被写界深度です。
 大伸ばしとかシビアな場合はこれより狭いと解釈した方が良いでしょうが、四つ切などならこれでほぼ良いでしょう。
 さらに、レンズによってピーク幅の広い狭いがあるので絶対的なものにはなりません。

4×5 2m 3m 5m 7m
f11 1.22 〜 5.57 1..53 〜 78.49 1.96 〜 ∞ 2.16 〜 ∞
f16 1.04 〜 29.68 1.25 〜 ∞ 1.51 〜 ∞ 1.65 〜 ∞
f22 0.88 〜 ∞ 1.03 〜∞ 1.19 〜∞ 1.28 〜 ∞
 6×9で使って28mm相当なのですが、手元にファインダーがありません。
 苦肉の策で実物大の枠を作り、フレームファインダーにしました。
 置く位置はセンチュリー・グラフィックだとちょうどボディの前になります。当然、視野はかなり正確に出せます。
 しかし、等倍のままでは広すぎます。目玉をぎょろよろさせないと見渡せません。それと、パララックスを勘で上等ですが少し強制しないといけません。

 これで、グラフィック用の4×5レンズはワイドから望遠までそろったことになります。
 ワイド 65mm=スーパー・トプコール(このページ)  88mm=バウシュ&ロム
 標準 127mm=コダック・エクター  135mm=ツァイス・イエナ・テッサー
 望遠 150mm=フジナー        210mm=シュナイダー・ジンマー
 新しいレンズや高いレンズはありませんが、ドイツ・日本・アメリカの物が各二本ずつそろいました。
 各レンズの名前をクリックすると試写結果のページに飛びます。
 6×9用のレンズは23系の標準レンズだけになりました。サイズ的にも4×5レンズもあまり変わらないのと、6×9レンズが意外と作られていなかったと言うことです。
 6×9レンズ 101mm=コダック・エクター  103mm=グラフレックス・グラフター   グラフレックス・トリオプター

  センチュリー・グラフィック クラウン・グラフィック