スピグラ付属品自作

ワイドレンズ用ファインダー
65mm用

作成記

 スピード・グラフィックはワイドから望遠までのレンズが使えます。
 望遠系は標準のファインダーにマスクを入れて対応できます。それに、本当に長い玉はつかないのでそれで十分です。
 ワイド系も90mmクラスであれば、標準のファインダーの付属フレームを外せば大体合っています。
 本格的なワイドとなるとカメラの設計の時代背景もあり対応できません。
 65mmとなると、フジやトプコンから出ているレンズ用のファインダーを購入するか、フレームファインダーを自作するかになります。
 割合と安く作成できるのが、ビデオカメラなどのワイドコンバーターを利用して作る方法です。
 完成してセンチュリー・グラフィックに取り付けた状態です。。


スーパー・トプコール65mm付

 部材
 
 部品を並べた所です。
 光学部分はケンコーのワイドコンバーター28mm径0.6倍です。
 他の部材は中段左の小さいものとレンズ取り付けの大きな穴のあるものが1mm、他は2mmのアルミ板です。
 これはレンズボードを作るのに使うアルミ板を流用しました。
 中段の小さな板はスピグラのファインダー取り付けシューの金具の厚みをかわす為のものです。
 本体取り付けの穴を開ける板は2mmのほうが安心感はあるでしょうね。
 前面

 レンズキャップに穴を開けて視野を決めます。
 良くメルトわかると思いますが、上下の位置が少しずれています。
 これで3mmほどのずれですが、パララックス矯正用です。
 この状態は穴が下にあり近距離用で、今の調整では約2mほどの時に合うようになっています。
 180度回転させると遠距離に合います。

 今はネジ一本でとめていますが、計画では後ろの方にも二本つける予定です。

 元のファインダー位置からシフトして中央に来るようにしてあります。これによりパララックスは上下だけになります。
 4×5のクラウン・グラフィックに取り付けると若干、中心から外れますがあまり問題の無いくらいです。
 
 背面

 レンズの取り付けは、28mmのUVフィルターをねじ込んであります。
 1mmのアルミ板では少し薄くて締め付けられません。ビデオテープの箱を切ってスペーサーにしてあります。
 2mm板だとほんの少し厚いかもしれません。
 同じケンコーでも古い型で後レンズを接写レンズに使えるものだと2mmの板でも3mmでもつかめるようです。
 本当はそれが欲しかったのですが、最早、ケンコーにも無いようです。
 0.6倍だと6×9用には使えますが、4×5には少々狭すぎます。出来れば0.5倍のコンバーターを使ったほうが良いでしょう。
 ベース部分

 スピグラのアクセサリーシューは普通のより大きいですからしっかり取り付けられます。
 外れ止めは写真中央に少し見えている小さな金属の板が反り返ってはまり込むだけのものです。左下の2mm板にはそれがはまり込む切れ込みをヤスリで彫り込んであります。普通に下げて歩く分には抜け落ちることはありません。

 予備のパーツが手に入ったら向かって左のスペースにグラフレックスのシューを取り付けて標準のファインダーも取り付けておきたいものです。
 アクセサリーシュー増設計画

 元あったアクセサリーシューはこのファインダーでふさがってしまいます。
 スピグラのシューは純正のファインダーを載せるしか能が無いのですが、その純正のファインダーを付けて置けるようにアルミ板でシューを作って取り付けることにしました。
 それを外せば、カラート距離計側に少し突き出して普通のアクセサリーシューが使えるような付属品も作ることにしました。
 工作はエポキシ樹脂でこのようにして接着し、接着完了後に念のためにビスを入れます。最初の時も同様にしました。これならネジ穴がずれる心配はありません。(完成写真は後日)
 グラフレックスシュー

 スピグラ系のシューはファインダーを載せるためのもので普通のアクセサリーシューに比べ大きなものです。
 大きい分アルミ板を曲げて作るには楽です。
 これは、いつもレンズボードを作る時に使う1mm厚のアルミ板を叩いて曲げたものです。
 直角に曲げてから先は2mm厚のアルミ板をシューの幅にしたものを芯にして叩きます。折り曲げ代が小さく深くなっているので、ファインダーなど通常のものを載せる分には伸びてしまう心配はなさそうです。通常のものを
 標準ファインダーを載せたところ

 元々、この位置にあった標準のファインダーをはめ込んだ所です。
 このファインダーをトリミングフレーム無しで使いと、88mmレンズの画角に使えます。当然、フレームを入れると103mmクラスの標準の視界になります。
 この状態にして置けば65mm、88mm、101mmのレンズ交換に耐えられます。
 88mmに関しては大きいほうのファインダーにもアダプターをつけて対応できるようにしてあります。
 通常アクセサリーシューの増設

 これは標準ファインダーを外して普通のカメラについているアクセサリーシューを増設した所です。
 向かって左側のボディから少し突き出して、カラート距離計の上まで逃がしてあります。
 これだけ逃がすことによって。クリップオンの小型ストロボがファインダーに並べて載せられます。
 ホットシューにはなっていませんからコードのあるものしか使えませんが、ホットシュータイプのアクセサリーシューを調達して、接点にシンクロターミナルを付ければ、今式の小型ストロボも使用可能には出来ます。ここに、ホットシューに変換するアダプターを載せても良い訳です。
 満艦飾状態のセンチュリー・グラフィック

 なんとも賑やかなフル装備状態のものです。
 ストロボ二台を左右に配してあるので、若干ですが影を軽減できるでしょう。
 クリップオンが配線された方で、ブラケットはスレーブで発光します。
 クリップオンにはワイドパネルがはめてありともに28mm画角対応です。
 ガイドナンバーはASA100で54、ASA400なら108と言う計算になります。
 補正無しならASA100でも3mでf16は使えると言うことです。
 ASA400だと、昔のプレスがフラッシュバルブを焚いていたのと同じようになります。今はストロボがオートですからf16の3mの常焦点で1.6mから6mあまりまではピントも露出も合うことになります。

 このファインダーやシューアダプターは4×5のクラウン・グラフィックなどにも共通で使えます。
 ファインダーの位置がカメラの大きさの関係で真ん中より少しずれますが、標準のものよりセンターによりますから実用能は問題は無いと思われます。

リンク   スピードグラフィック23   センチュリー・グラフィック   

クラウン・グラフィック

カラート距離計調整法   レンズボード作成

スーパートプコール65mm試写

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