レンズボードの自作
スピードグラフィック23系
(4×5)

 スピードグラフィックをはじめグラフィック系のカメラはレンズ交換をレンズの付いたレンズボードごと行います。
 このレンズボードもカメラの大きさ、メーカーなどで異なり、実にさまざまあります。
 一般的に多く使われてきた4*5カメラのレンズボードはスピードグラフィックをはじめリンホフなども比較的入手しよくなっています。
 しかし、6*9のミニスピードグラフィックやセンチュリー・グラフィック23などのレンズボードは今となっては非常に見つけにくくなっています。
 無いとなれば、作るしかありません。
 純正のボードを見るととても自作できる代物では内容に思われる搾り出しのものです。しかし、この縁の折り曲げが無くても大丈夫なようです。これさえなければ四角い板の真ん中に穴が開いているだけのものです。
 ホームセンターで1mm厚のアルミ板を買ってきて作ることにしました。
 用意するものはアルミ板、ドリル、丸やすり程度です。仕上げにつや消しの黒い塗料があれば内側に塗って反射を減らした方がいいでしょう。
(レンズボードの作成・作り方)

 完成

 これは4*5用の88mmを取り付けたところです。
 6*9の標準レンズは普通00番のシャッターで口径が小さいのですが、これは大きいのでレンズボードがほとんど見えなくなっています。
 23タイプの場合は1mm厚のアルミ板で作ればそのままで光線漏れもなく納まります。念を入れるなら裏側の周囲に1mmのモルトを貼っても良いでしょう。

 4×5の場合は元のボードの板厚が2mmなので、このままではがたがたです。
 裏の周囲に3mmのモルトを張ればきちんと納まります。2mmのアルミ板ならそのままで使えるとは思いますが、まだ1mmの板でしかやっていません。

 
 作業台

 ドリルと使って穴を開けるときに、ボードが回転しないように枠を作ると安全です。
 左の万力は小さなおもちゃのようなものです。
 板が小さいし、アルミ板なのでこれに軽くはさんでヤスリ掛けをすると楽です。
 アルミ板に余分な力をかけて曲げてしまうことは避けたいものです。
 取り付けてあるのは古い木製の風呂椅子です。
 万力に挟んだ状態で好きな方向に持ち上げられる大きさなので、意外と仕事がしよかったですね。
 切り出し

 アルミ板からボードを切り出します。
 ほんのわずかに大きくきり、平ヤスリの上でこすり寸法合わせをします。
 カメラに当ててきっちりにするのが一番ですが、当てる前にはきれいに金属粉をぬぐってからしてください。将来の故障の原因になります。
 縦横少し寸法が違いますから、上方向に矢印を刻んでおくと、、レンズの取り付けの時に楽でしょう。
 センターだし・円書き

 寸法が決まったところでレンズ穴のセンターを出しておきます。
 スピードグラフィックのレンズ位置は対角線の交点ですから簡単ですが、隅を丸める前にしないと分かりにくくなります。
 センターに釘などでポンチを入れておけば普通のコンパスで円は描けます。鉛筆の芯でも薄く傷も付きます。
 ほんのわずかに大きな円にしておき、ぎりぎり残る方が最後の仕上げが楽です。直径で最低0.5mmは大きくした方が良いでしょう。
 穴あけ
 レンズ取り付け穴は割と大きいのでドリルで一回と言うわけには行きません。
 小さなドリルで線の内側に少し余裕を持たせたいちに一杯穴を開けて中を取り去ります。
 あとは、万力に軽くはさんで少しずつ削ってゆきます。
 既製品のレンズ穴も少し大きめになっていて、閉めるまではレンズががたつくものもありますから、むちゃくちゃ神経質になることは無いと思います。0.5mmそこいらはずれてシフトした形になってもあまり分からないで済むと思います。
 仕上げ塗装

 仕上がったら、内面反射を減らす意味でも無光沢の黒のペイントを塗っておきたいものです。
 反射防止材の植毛紙とかをきれいに張れば最高なのでしょうが、既製品も塗装してあるだけです。
 私も塗装しただけになっています。
 表側はどんな色でもかまいません。
 00番のシャッターの場合は結構広い面積が見えますから、オリジナルカラーにするのも良いかも知れません。
 0番になると23タイプのレンズボードでは、上の写真のようにほとんど見えなくなってしまいます。
 工具類

 簡単な細工ですが、普通の工具箱に入っていないものも必要になります。

1.レンズはずし・・・かに目レンチ・カメラオープンナーなどですが、結構固く締まっているようなのでひ弱なカニ目ではうまく行かないときがあるようです。うまく行かず外れたりするとレンズに致命的な傷を入れることがあります。写真のカメラオープンナーなどは力が入れよいのでお勧めです。レンズ以外んも使えます。

2.丸棒やすり・・・丸い穴ですからヤスリも丸くないとうまく削れません。やや太目の方が仕事はしよいです。
 穴を広げるリーマーもありますが、アルミは柔らかいですからヤスリで丁寧に削った方が良いと思います。

3.ミニ万力・・・私のは100均で買ったものです。手で押さえてはうまく削れません。
締めすぎて板を曲げないように気をつけてください。
 手抜き

 レンズボードにはレンズの位置決めと回転防止に、余分な穴や切り欠きがあることが多いです。
 切り欠きの場合は省略できませんが、離れた穴の場合は、レンズ側を確かめて、そのピンが外れるようなら外してしまい穴なしで締め付けてもいいと思います。
 離れた穴を開けそこなうと当然光漏れを起こします。
 自分で使うレンズですとレンズが回ってしまうような使い方はしないでしょう。
 私は当然省略してあります。
 ドンぴしゃり当てる自信が無いものですからね。
 左の写真は4*5用の既製品のレンズボードで、縁に折り返しがあります。小さな穴が回転防止用、ボードについているのがソレノイドと言われる電磁式シャッター装置です。
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