Zeiss Ikon Ikonta 521/2
ツァイス・イコン
イコンタ 521/2 テッサー付

 製造   西ドイツ ツァイス・イコン
 製造年 1938年
 レンズ  テッサー105mm3.5  フード・フィルター37mmかぶせ
 シャッター  コンパーラピッド B・1〜400 セルフタイマー
 フォーマット 6*9 120フィルム  重さ 680g
 巻上げ    赤窓式 二重露光防止機能あり
 同じ型の521/2ノバー付  
           


左・・・テッサー105mm3.5   右・・・ノバー105mm4.5
 ノバー付のものを入手して以来、テッサー付の安いものを探していましたが一年がかりで手にしました。
 テッサー付は上級グレードなのでシャッターもコンパーラピッドになり1/400まで使えるようになります。
 外観ではレンズが4.5から3.5に明るくなったので目玉が大きく見えます。しかし、フィルターやフードは37mmで同じです。このサイズはイコフレックスとも共通です。こうした物が共通で使えるのはありがたいです。
 他の部分を比較すると時代の変化なのかわかりませんがほんの少しだけ違うところも見受けられます。
 シャッター速度や絞りの位置が変わっていますが、これはシャッターが違うので必然的に変わります。コンパーの絞りが下にあるのはあまり操作のしよいものではありません。しかし、8枚しか取れないのですから絞りを変える回数も多くは無いのです。
 重さも680gほどでレンズでの差はほとんどありません。同じ6*9のボナフィックスIIが620gとよく似たものです、ずしりと思いカメラです。しかし、コダック・メダリストの1450gに比べると半分ほどです。35mm一眼レフよりは軽いわけです。風景主体の旅行などに一台入れて行くとすばらしい写真が取れると思います。畳めば小さなカメラですから・・・
 
 521シリーズは時代背景からかほとんどがのばーつきです。
 
 底面から見ては区別が出来ないくらいですが、前蓋の短い方のたすきがテッサーの方はメッキでノバーが塗装ですが、この違いはグレードなのか時代なのか分かりません。
 三脚穴は底面と前蓋にありますが、この時代のものは大きなネジ穴の場合が多いです。今でもアダプターは手に入ると思いますが、この手のカメラを入手したらすぐに確かめておかないと三脚に乗せられません。6*9と言う大きな原版なのですから三脚の必要性も高いと思われます。
 左のテッサー付のものは前蓋や上下面にクロムメッキの縁取りが付いています。6*6の場合のネッターとイコンタの違いのようなものですが、これもバージョンなのか年代なのかの区別は不明です。
 必要の無いものですがこうしてあるものと無いものを並べるとあるほうが高級に見えます。
 左のテッサー付の前蓋の三脚穴はアダプターが付いてきませんでした。今の三脚の場合ここにつけなくても撮影はできますが、昔の三脚は雲台の無いものでしたから、縦横変更するには三脚穴も二箇所に必要だったのです。
 521シリーズ共通の特徴の一つ、二重露光防止機能付き巻き上げノブとシャッターボタンです。この小さなカがーのなかに防止装置を組み込んであります。6*9(/2)、6*6(/16)、6*4.5共通の特徴です。523などになると、軍艦部に組み込まれるようになりました。
 東ドイツ側で作られたエルコナと言う兄弟機も全く同じものを使っています。これは東西にツァイスが分断される前に採用されていたものですから当然なのです。
 シャッターボタンの右側にある小さな丸い穴に巻き上げの有無が表示されます。
 こうしたカメラではシャッター直結のケーブルレリーズを使いますから、そちらでは二重露光防止などは働きません。
 このボディレリーズはスプリングカメラの中では遊びも少なくフィーリングの良い方です。ただ、左シャッターなので現代の我々には馴染みにくい物です。
 カメラ上面ですが、このボタンを押すと前蓋が開くのは常識ですが、この型では一緒にファインダーも立ち上がります。ファインダーの横にも小さなポッチがありそれでも起きてきますがこのボタンで起こす方が楽です。ノバー付の方にはこの機能は付いていません。さほど便利とも思えませんがあるほうが面白いですね。
 ファインダーに関してはツァイスのファインダーは総じていいとはいえません。この式のものではエンサイン・セルフィックスシリーズのものが優れています。前レンズに反射させてブライトフレームが浮き上がると言うすばらしいものです。
 三種揃い踏み

 その後、もう一台テッサー付を入手しました。
 テッサーも最初のと違いましたので、オプトンテッサー、イエナテッサー、ノバーとそろいました。
 残るは東ドイツのエルコナという同じ型の物です。
 そちらにも、テッサー付とノボナーというノバーと同じものが付いたのとが存在します。エルコナのほうが数が少なく中々安くて程度の良いのが出てきません。

 最近、ツァイス・マキシマ207/7などと言うカメラを手に入れ、そのテッサー135mmをスピグラで使えるように開いたので、この三台の出番も減っています。