レチナ IIc
交換レンズの試写

標準レンズ レチナ クセノン 50mm f2.8
 ワイド   カーター クセノン 35mm f5.6
 望遠    ロンガー クセノン 80mm f4

 後ろの灰色の部分はシャッター、絞りと共に残ります。

 上のような構成のレンズで、後玉を残すためかなり無理をした設計です。ワイドは本来標準レンズより短いものですがここでは少し長く仕上がっています。従って前蓋が閉められません。さらに、距離計は50mmに合わせて作られていますから、繰り出し量が変わるため、上から見える距離目盛をレンズ下にあるワイド用と望遠用に目盛りに移植しなくてはなりません。非常に煩雑なものです。ワイドなら常焦点として使えますが80mmとなるとそうも行きません。
 そうした面では実用には疑問符がつきます。

 標準レンズ RETINA XENON 50mmf2.8

 
1aのクセナー同様、しっかりした描写です。標準レンズは無理をした設計ではないので一級品です。
 ノーフィルターながら空がうまく落ちているのはコーティングが働いているのでしょうか。これくらい落ちてくれれば風景写真を撮るのにありがたいですね。
ワイドレンズ RETINA CURTAR XENON
  35mm f5.6


 35mmと言う昔のワイドレンズのスタンダードですが今から見ると画角はさほど広くなく、スナップ用標準レンズになりそうなものです。
 描写はしっかりしているし、35mmにASA400でも入れておけば常焦点で1mほどから背景までピントが届くのでレチナの距離合わせの弱点は無視できるカメラになります。これで、前蓋が閉まれば最高の常時携帯カメラになるのですが・・・
望遠レンズ RETINA LONGER XENON
 80mm f4

 予想したよりはるかにしっかりしたレンズです。コントラストもあり解像度も一級品だと重います。これで距離合わせの問題が無ければどんどん使いたいレンズです。
 これを見ると、このクセノンCシリーズの使えるレンズシャッター式一眼レフのレチナフレックスを使ってみたくなります。レチナフレックスでも一番古いもの以外はこのレンズは使えません。
 80mmも空が適当に落ちてくれます。

  上の三枚は同じ場所に立って撮影しています。露出はシャッターも残るのでそのままでやれますが、距離に関してはワイドのときも望遠のときもカメラをひっくり返して合わせなくてはなりません。換算表でも作ってカメラに張れば上から見たままで使えるようにはなるでしょうね。

逆光撮影
 古いレンズはコーティングの質や劣化さらにレンズの汚れなどの影響で今のレンズより逆光に弱い場合が多いです。
 こうしたレンズでわざわざ雑考撮影をすることも少ないでしょうが、逆行の作例を挙げて置きます。

80mmによる逆光撮影です。
 非常に優秀な結果が出ています。 画面のすぐ外に太陽があるのに、ゴーストもハレーションも抑えられています。
 順光の結果といいこのレンズは常用するに足りる立派なものだと思います。


鬼ヶ城遠景
35mmによる逆光撮影
 これは太陽をまともに写しこんでしまっています。
 一眼レフではないのでこうした微妙な配置は難しいです。
 レンズの汚れもあるのでしょうがゴーストが大量に発生しています。
 レンズの枚数が多いのですがその枚数分出ている感じです。しかし、コントラストなどは十分保たれていますから実用の範囲かと思います。


 磯崎港にて

1a     2c     3c