国産・舶来中古カメラ 参考資料

     中古カメラの選び方 1
 私などの世代は結構古いカメラでも、そのカメラがその当時どのように受け止められたのか、そのランク付けはどうだったのかを、実感として受け止めてきました、そして、販売され、もしくは現役として働いていた時代に遡って話も少しは出来ます。
 そうした感覚で、個人的に見た戦後のカメラを、中古市場で皆さんが見かけられる可能性のあるものをピックアップして、私的観点で説明を加えたいと思います。あくまでも私の見解でありますから、参考にするしないはお任せいたします。

 どの分野の中古カメラでも基本はやはり動くと言うことが第一条件です。古くなるとシャッターの油が劣化して低速シャッターが動かない物も多くあります。気長にシャッターを切り続けると動くようになることもあります。実用上は1/25以上が正常であれば使えますから割り切って買う手もあります。
 次に生命線のレンズがきれいなことです。表面の汚れは掃除できますが、カビの生えたものは厄介です。現物が見られるときはバルブの状態で絞りを開放にして明るい方を覗けば傷もある程度分かります。レンズの掃除は出来るとしても数万円かかると思ってください。カビは光学レンズが大好きなのです。
 1950年ごろを境にレンズのコーティングが導入されます。逆光やカラー撮影にはコーティングがあるほうが有利です。しかし、コーティングは傷が入りよく、トラブルの原因にもなりますから、レンズのチェックは怠り無くしてください。
 ここに出てこないカメラの名前はにあります
 
買う方法にはこんな方法もあります。

 
二眼レフカメラ    2.スプリングカメラへ     35mmカメラへ
              二眼レフの写真その他の資料は http://rd2h-ari.hp.infoseek.co.jp/2GAN_LIST.htm に載っています

カメラ名 販売数 販売期間 内容・解説
リコー  歯車式で上下のレンズを廻してピントを合わせる方式を長く採用し、鉄板プレスボディーで、『安く、良く写るもの』として受け入れられ、二眼レフのトップを走り始めたが、戦後社会が落ち着き、機能的にも進んだものを求められるようになり、ダイキャストボディーとレンズの付いた前板全体を繰り出す、二眼レフのお手本ロライに似たヤシカの安売り作戦により、二番手に落ちました。しかし、リコーはアイデアに富んだ商品を出し続け、遅くまで二眼レフを作り、種類と数は中古市場でも最多に近い。但し、高級機ではないから、コレクション用超美品以外のモノは、さほど高くはないはずです。
 Y・Z型は歯車式で数も出ている。レンズは安いといえども切れることで評価は高かったものです。それ以降の「ダイヤ」などは前板繰り出しになりました。
 このリコーは現存するリコーと同じ会社です。
ヤシカ 最長  リコーと並び、日本の二眼レフ全盛時代を築いたブランドです。ヤシカのブランドになる前に、「ヤシマ」の名前の物が少量で廻っています。
 ヤシカは早くからロライ方式の前板繰り出しを採用、高級感を前に出しました。四畳半メーカーと称されるほど、戦後日本では二眼レフメーカーが乱立し、日本人の器用さで、それなりのものを作り、占領軍のお土産、日本人の写真好き、輸出(アメリカ向け)でしのぎを削りました。
 当然、安売り合戦が始まりましたので、体力のない四畳半メーカーが消えて行き、大衆路線では上記のリコーとこのヤシカが最後まで死闘を繰り返しました。この会社は近年、京セラに吸収されました。
 二眼レフではヤシカに軍配が上がったようで、最後まで作り続けました。
 そのため、この二つには比較的新しいものもあります。
ミノルタ  今はコニカミノルタとなった、ミノルタの製品です。安売り合戦に参戦せず、高品質を目指しました。初期のものは非常に少ないですが、後期になり、ミノルタオートコードなど、本家ロライより、レンズにおいては上である、との評価を得る頃は、プロの人物写真等に活躍しました。今でも、かなりの数が流通しています。但し、高いものが多いです。このクラスなら、程度の良いジャンクからリストアしても採算が合うかもしれません。
アイレス  高級二眼レフでした。レンズも自社のもののほかに「ニッコール」「ズイコー」など当時の一流品を載せる位でした。元が高いのでさほど数はないのですが、機械がしっかりしているため、結構残っています。但し、その中で、ズイコーの載った物には注意が必要です。その時代のズイコーは経年変化で白くにごってしまうものが多いからです。当然写真は撮れません。磨きなおしは可能みたいですが、価格が・・・探すのであれば、ニッコールか自社レンズコーラルの物になります。
プリモ  東京光学の二眼レフ。ここは専門的な光学器械も手がけるメーカーで、優れたレンズを生み出している。トプコールの名は後の一眼レフトプコンとともに歴史に残るといわれるものです。しっかりした作りで、現存する数は販売量の割には多いようです。
オリンパス  高千穂光学・・今のオリンパスの製品です。顕微鏡といえばオリンパスといわれる、光学専門メーカーの自信作、高級機でした。レンズも、他社が3群3枚とか3群4枚の時代に6枚ぐらい使って味のあるものを作りました。そのため、さすがオリンパス・・とうならせ、高価にもかかわらず。プロや高級アマチュアに売れました。
 とろろが、その当時はコーティングとか何とかはほとんどなかった時代に、頑張ったので、それが裏目に出て、アイレスのところに書いたように、経年変化による白濁が起きてしまいました。それが起きていないものは、切れ味、ボケ味抜群のズイコーですから、かなり高価になっているようです。
コニフレックス  今は、ミノルタコニカになっている。小西六写真工業の高級機です。スプリングカメラ『パール』写真館の大きなカメラのレンズとして名をはせた『ヘキサノン』を載せたもので、レンズには定評のあったものです。この頃から、小西六は商売が下手で、評判だけで数が売れていません。しっかりした作りですし、高級アマチュアか写真館のオヤジが持っていたものが多いので、出て来るものはきれいなものが多いですが、高価です。
マミヤ  マミヤにも普通の二眼レフはあるのですが、あまり存在感がなく、昭和30年代最後に出した、レンズ交換式二眼レフC220と後継機種のC330などの印象の前に忘れられています。この頃から。セコールらしいボケ味は評判でした。
 忘れられかけているので、実力よりは安いようです。
アルペン  この辺りからは、「なんじゃそりゃぁ」といわれるものも出てきます。
 アルペンフレックスはたまに見かけるくらいには残っています。時期も短かったですし、中古らしい中古が多いです。実用機として使われたものが多いですからね。
イソカ 極短  これもたまに見かける程度に売れて、残っています。珍しくて使えるものを・・・と、思われる方向きかもしれません。
プリモ 極短  映写機で有名なプリモからの二眼レフです。高級機ではありませんが、しっかりしたつくりで評価されていましたが、数がありません。マニア向けかもしれません。
ビューティー 極短 これから下は全て短期間の間生産された、戦後の二眼レフ時代を飾ったカメラたちです。戦後の焼け野原の時代としては、りっぱに基準を満たしていました。随分後の東各国のカメラの負けないものも多いです。但し、みんな年をとっています。若いものでも50歳に手が届きます。手元にありましたら、大事にしてやってください。フォルムを入れれば働くものも多いと思います。動きさえすれば、『うそだろう!!!』と言う写真を作ってくれますよ。
クリスタル 極短 同上
トヨカ 極短 同上 
ワルツ 極短 同上
プリンス 極短 同上
ワゴー 極短 同上
イコフレックス ドイツ・ツァイス・イコンの二眼レフ、テッサー付ノバー付がありローライのライバルでもありました。国内では数が少ないです。作りは頑丈ですが壊れると直すところが少ないようです。個人的にはレンズを含め一番好きです。
ローライフレックス
世界最高峰の二眼レフ。ほとんの二眼レフはこのローライフレックスの真似から始まっています。一番最後まで作り続けました。
数はありますが、非常に高価です。
ローライコード
ローライフレックスがあまりにも高価であったため、普及機として発売されたもの。普及機ゆえにセルフコッキングなどは省かれましたが名玉クセナーの写りは最高級のものです。
ヤシカA/D・イコフレックス・ローライコード・ローライフレックスについては詳しい解説や実写テストのページがありますから参考にしてください。