Goerz Dagor
12.5cm f6.8
ダゴール
125mm

 DAGOR 12.5cm f6.8  2群6枚 ダブルアナスティグマット
    Goerz Barlin (ゲルツ)社
    シャッター  コンパー T B 1 2 5 10 25 50 100 250
                  絞り f 6.8 〜 45
    
  製造年度は不明ですが、このシャッターが最初からついていたとすれば1930年代だと思います。
 この時代のコンパーはタイムとバルブがついています。
 それに、コッキングレバーを更に一段追い込むことによってセルフタイマーが働くようにはなっていますが、経年変化でセルフタイマーユニットが焦げ付いていることが多いですから、よほどのことが無い限りセットしない方が賢明です。分解清掃しないと全く動かなくなります。
 残念ながらシンクロ接点はありません。
 そもそも、このダゴールと言うレンズは三枚構成のアナスティグマットレンズの歪みを更に矯正しようと1892年に開発された物で、歴史はものすごく古いのです。構成図は右の通りですが、各ブロックが三枚構成の無収差レンズなのです。
 同じ構成のものにシュナイダーのジンマーがあります、
 基本的には前群と後群がシャッターを挟んで対称の形になっています。
 クラシックのレンズの中では歪が良く矯正された物として大判用のカメラに多く使われていました。
 このダゴール125mmも小さなレンズですが、4×5は楽にカバーするはずです。
 この構成のレンズは、ブロックごとにアナスティグマットですから前か後ろを外すことによって長い焦点のレンズとして使うことも可能なようです。
 ジンマー210mmは片側外すと360mmに働きますから、このレンズも200mmくらいになるのでは無いかと思います。

 撮影距離約90cm・・・TRI-X f11 1/100
 下は同じ物の部分拡大です。

 大体、全紙程度に伸ばしたサイズではないかと思います。
 感じとすると、テッサーやエクターに比べ少し柔らか味があるのかなあ・・・と言う物です。
 開放値が6.8と暗いレンズですから、11位が開いて使っている方だと思います、
 ボケも素直でどんな撮影条件でも使えそうです。

 絞り6.8?

 隅っこの光は、絞り羽根の錆が原因なのか、開放値の6.8より羽根が開いてしまうコンパーのせいなのか分かりません。
 少なくとも、前から覗いてきちんと設定しないといけません。
 f8の設定で取り直して問題がなければ事実上の開放と解釈して使えると思います。
 f22

 125mmですから、ここまで絞ると近距離撮影でもかなりの範囲にピントが廻ります。

 シンクロつきのシャッターにでも移植しないと、使える範囲はあまり広いとはいえません。
 少なくとも、きちんと整備してスローガバナーの引っ掛かりをなくして低速シャッターを全部使えるようにしないと神社仏閣では苦しいです。

 中距離の描写とボケです。
 絞りが11くらいまで絞られているの結構置くまでピントが行っています。
 周囲まで欠陥が無いのは4×5用の銘玉といわれるレンズを6×9で使うのですから当然でしょうね。