Braun Paxina 29

ブラウン・パクシナ・29

 製造 ドイツ・ニュールンベルグ・ブラウン社
 名称 パクシナ 29
 年度 1952年頃
 レンズ Steiner-Bayreuth 75mm  2.9〜22 沈胴式
 シャッター プロント B・25〜200 X接点 セルフタイマー付
 フォーマット 120フィルム 6*6
 赤窓式

 日本では8mmカメラの方がなじみのブラウン社製6*6判沈胴式カメラです。この方式にはアグファとかでおもちゃに近いものが作られていますが、このパクシナは一応の基準を満たした中級機をめらったものと思われます。35mmカメラのパクセッテというカメラが出されていますがこちらも中級機を目指したものです。このパクセッテは日本でも多少のなじみはあるものです。
 6*6判で75mmレンズをつけるとかなり大きくなるため。レンズが引っ込む方式で携帯性を向上させたのでしょうね。ライカなども標準レンズを沈胴式にして小さくしようとした時代です。チンどう式を採用してなおかつ簡単に仕上げるためにレリーズボタンもボディにもってくることは諦めています。このようにレンズ部分などにレリーズボタンのあるカメラは昔は良くありますがなれるまでシャッターを探して指がさまよい歩きます。
 NETの中を探しても中古販売のリストには出てきますが、カメラについてはほとんどありませんでしたが、オックスフォード大学の洞穴探検クラブ(OUCC)が1970年ごろのスペインの探検に使ったと言う記事を見つけました。操作が簡単で適しているとのことです。蛇腹では湿気で持たない場所で、大きな原版を使うには向いているでしょうね。つまり、記録写真として使えるレベルと言うことですね。

 電気カミソリのブラウン社はスライドプロジェクターを製造しています。

  左が6*4.5のご存知FUJIGS645Sです。コンパクトな120カメラとして有名ですが、その横に並んでこの大きさです。驚異的なサイズです。洞窟探検に持っていったのが実感できます。これがレンズを引っ込めたもので7cmもありません。35mmカメラとあまり変りません。
 このサイズに押し込めるためにファインダーも低く抑えたので、覗くと伸ばしたレンズが視界を邪魔します。作画の面では不自由かもしれませんが、このカメラはポートレートを撮る目的ではなく、ポケットに入れて何処へでも・・・と言うコンセプトだと思いますから、サイズダウンの方がありがたいでしょうね。ファインダーは結構アラル鋳物です。
 シャッターは引っ込めたとき向かって左の小さなくぼみにはまり込んで落ちないように工夫されています。
 レンズはやたらと明るいf2.9が付いていて、名前に由来になっていますが、おかげでフィルターが一般の32mmでは合わないようです。
 もう一つ面白いのは、カメラの上面に書かれた名前がカメラマン側からではなく前から読むように書かれています。普通はカメラマンサイドから読むように書かれるものです。
 レリーズ穴も付いています。
                              カメラリストへ