KODAK
MEDALIST l
コダック・メダリスト1

  

 メダリスト 1型
 イーストマン・コダック
社 米国 1941年〜1945年
 フォーマット 620フィルム 6*9   1340g
 レンズ コダック エクター EKTAR 100mm3.5〜32  5枚玉(ヘリアー型)
      ダブル ヘリコイド 沈胴式 距離計連動(上下像合致方式) 
 シャッター コダック・スーパーマティック2 B 1〜400 セルフタイマー付・セルフコッキング
 裏蓋着脱・片開き兼用 セミオートマット巻き止め  

 USAコダックが第二次世界大戦前夜、ドイツからのカメラの輸入が止まる可能性を見越して、軍部からの依頼で開発したカメラです。生産も丁度、太平洋戦争の期間中です。60年以上経過しています。
 アメリカのカメラ史上最高のカメラに数えられるものです。
 第一印象は、『ごつい』と、言うものです。手に取ると『重い!』と、思います。
 頑丈に作られていますが、相対的に操作性はさほど良くないような感じもします。
 6*9にしてはこじんまりと見えるのですが、ボディの厚みやダブルヘリコイドの鏡胴部分はものすごく重厚なものです。
 ボデイ右下に少し見えているのが、沈胴とレンズの繰り出しをするためのノブです。この個体では長年使用されていなかったためかかなり重くなっています。距離計は専用の窓から覗く上下分割像合致式でかなり見よいものです。

 上から見たものですが、残念ながら少しさびが出ています。ネームプレートになっているのがファインダー、右側のダイアルが距離計と連動してまわる距離表示で被写界深度も読み取れます。その右がシャッターボタンです。下のレバーに切り替えで押し込んだままのロックも出来ます。距離目盛の下の小さな窓は二重露光警告マークです。ファインダーの左はフィルムメモ用ダイアルです。グレイのノブは巻き上げノブ、小さなダイアルと小窓は撮影枚数表示とセットダイアルです。このダイアルは小さくて操作しにくいものです。
 ふぁいんだー覗き窓の右に見える小さなものはシャッターコッキングレバーです。動きは裏蓋を明けると鏡胴の中に見えています。シャッター速度の設定リングが少し不思議なもので。同じリング上なのにB〜10の低速部分と25以上の高速部分では違うマークにセットします。バネの追加は分かるのですが、目盛り位置を変えた理由がよく分かりません。初めて目にするものです。フォーカルプレーンで違うダイアルになった時代はありましたが・・・同じリング上なので・・・


 裏蓋を取り外した形、つまみを指で挟むだけでどちらからでも開きます。

 裏蓋を明けたところです。この裏蓋は良く出来ていて、両方のヒンジのピンを引っ込める方式で、片方開いてフィルムの装填が出来ますが、両方をはずせば裏蓋を交換することが出来ます。
 オプションとしてカットフィルムなどのものがあったやに聞きます。
 6*9のフレームを見てお分かりのようにカメラの幅は限度まで縮められています。富士645と同じくらいです。
 左側の細いローラーで巻上げ代を感知するのはコダック・レフレックスと同じです。スタートは裏窓に1番を出して、カウンターを1にセットする方式です。テスト用のフィルムを送った感じでは、少し送り過ぎみたいですが最後の一齣もぎりぎりセーフかなと言うものです。レフレックスも少し送りすぎの感じですから、コダックのくせなのかもしれません。
 ファインダーが縦長なのは上半分が逆ガリレオのファインダー、下半分が距離計の覗き窓になっているからです。
 試写が完了すればまたアップします。
 この個体のセルフコッキングが作動不良で手動コッキングで使っていますが、調整で戻りそうな感じです。手動コッキングが付いているのと、赤窓があるのでオート機構の不調は手動で代行できる設計になっています。このあたりもどんな時でも動かせると言う軍の要求から付けられた機能かと思います。
 操作に関しては後から来たメダリスト2型のほうに写真入で解説しています。下のカメラアイコンから入れます。

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