Kodak  Reflex ll
コダック・レフレックス ll

フィルム  620  6*6
製造  イーストマン・コダック 1948〜1954
名前  コダック・レフレックス2
焦点調節  上下歯車連結式 前玉回転
レンズ コダック・アナスター コーティングあり Anastar 80mm f3.5〜22
フィルター  38mmカブセ
シャッター フラッシュ・コダマティック Kodak Kodamatic B 1/30〜1/300
巻上げ セミオートマット                                

 見かけは何の変哲もない二眼レフです。コダックのカメラはドイツコダックのレチナ以外ほとんど見かけなませんが、これはアメリカ・コダック製です。コダックが日本で少ない理由は6*6や6*9のカメラがコダックが提唱した620と言うフィルムを使うものがほとんどだと言うことです。これは、日本でもヨーロッパでも普及しなかったのですがアメリカでは売れた(売った)ようです。
 コダックやアンスコ、アーガスなどが主にアメリカで売れていますが、アメリカ人に合わせたのかほとんどがおもちゃ的なものです。常焦点、単速シャッター、絞りも三段くらい・・・と言う、日本では売れない代物ですが、これにフラッシュを付けたのが1930年代から1960年代までのアメリカ人のカメラでした。 まともなカメラを使う人は日本製かドイツ製を使っていました。
 このコダックフレックスはもうひとつのコダックの二眼レフ『デュア・フレックス』とは違い、世界標準のものです。アナスターと言う風に名前のあるレンズが付いているほうが珍しいのです。この個体についているものはレンズは4群4枚構成らしいです。三枚のタイプも同じ名前で使われているようです。
 このカメラは二次世界大戦が近づいた頃、ドイツからのカメラの供給が思うに任せられなくなるため計画されたようです。おかげで シャッターもきちんと普通のものが付います。1型が1946年、2型が1948年発売です。
 巻上げカウンターがありセミオートマットです。カウンターは手動セットで、巻き上げノブの隣のつまみをヨイショヨイショと廻します。次の巻上げにはその上のノブを上に押し上げて解除します。セルコッキングは無しです。それにしてもカウンターが自動で戻らないのはイコフレックスなども同じですが操作性はもうひとつです。
焦点合わせが歯車で、セルフコッキングが無く、赤窓スタートのセミオートマットで、赤窓位置が普通の赤窓と同じ位置ですから、巻上げストップが壊れても手動でやれます。現に一本撮ったところでは操作が悪いのか巻上げ間隔が少し広く、赤窓を見ながらやりました。オートでやっても許容範囲のようです。
 この普通のような二眼レフでも日本では620仕様と言うことで売れませんね、120のフィルムを620のスプールに巻き代えれば使えるとは言え、わざわざそこまでして使う人は少ないでしょう。それに、空きスプールといえども620の普及しなかった日本では中々手に入りません。その辺が、620の普及したアメリカと事情は違うと思います。
 620のカメラではコダックの
『メダリスト』が最高でしょう。その次クラスがこのあたりです。そして、この下が限りなくおもちゃに近いのですから、620を使ってみるとか、コダックの中判を使ってみようとすると非常に選択肢が狭くなります。

シンクロ接点はコダック式だし、変換コネクターないと接続できないでしょうね。おまけにM接点なのでストロボが使えないで困ります。この時代のアメリカのものはX接点は少ないです。ドイツはX接点です。

 付属の革ケースのごつさには驚きます。下に打ってある鋲などものすごくごつくて軍用品を思わせます。
 テストレポートは仕上がり次第にアップします。

 120フィルムは1901年〜現在まで製造中・・・・・ 620フィルムは1931年〜1995年で製造中止となっています。