AGFA KARAT 36
アグファ カラート 36
アグファ・カラート 36
ドイツ・アグファ社 1948年〜
フォーマット 24*36 135フィルム
レンズ アグファ・ゾリナー SOLINAR 50mm2.8〜16 フィルター29mm捻じ込み
シャッター シンクロ・コンパー B 1〜500 M・X接点
上下像一致方式距離計連動 フィルムカウンター・手動・順算式
レバー巻上げ・セルフコッキング 、前板飛び出し式スプリングカメラ 660g
日本では馴染みの少ない前板飛び出し式スプリングカメラです。
割合と普及機の多いアグファの中では高級機であり、普及バージョンを出していません。ボディも金属の結構重いものです。ランク的にほぼ同じでもレチナほど数が出ていませんから知名度はかなり低いです。
ユニークといえばファインダーもこの型のカラートでは上下像一致方式の距離計をそのままファインダーにしているので上下高さがずれています。どちらの大きさも本来の半分の高さしかありません。距離が合っていないとファインダー全体が上下にずれた絵を見ることになります。
上下像合致方式でこのようにファインダー全体を距離計に使うとピント合わせの可能面積が広くなり、慣れると使いよいものです。メダリストは距離計専用ファインダーの上下像一致です。日本ではほとんど全部左右像一致方式です。
巻き上げレバーは向かって右に飛び出したもので、一見普通に見えますが、普通の逆で、手前に引いて巻き上げます。
あとは取り立てて変ったところの無いものですが、全く同じ形で『36』が付かないものがあります。これは35mmのパトローネ入りフィルムが統一され普及するまでのもので、独自規格の一方通行カートリッジを使用するものです。購入すると大変なことになります。めったにオークションにもカートリッジはでてきません。
ドイツのメーカーは同じ名前を何回でも使うので、普通の形のスプリングカメラのカラートもありますし、普通の35mmもあります。
カラート36には基本的にゾリナーが付いていますが、この型以外ではヘリゴンやクセナーの物もあるようです。
ゾリナーはこの頃のアグファでは高級レンズとされ3群4枚のテッサータイプ変形のようです。
左の写真:フィルム室の下側のガイドレールの途中にある小さなカバーの影にスプロケットがあります。フィルムを入れるときはカバーを開いて確実にパーフォレーションをかみこませます。
右の写真:標準的な軍艦部ですが、右の巻上げレバーが通常に位置とは違う位置にあります。普通は巻きとめの位置にあり、巻き上げる時には手前に引っ張ります。この逆動作はカメラを構えたままでやってみるとやりにくいように思います。
フィルムカウンターは手動であわせます。撒き戻しノブのそばにはフィルムのメモ用のダイアルがありますがASAは40・100・160しかありません。カラー・モノクロなどの目盛りがありますから役には立ちそうです。
目方は660gとずっしりと重く信頼感を感じます。
大きさは幅はビトーllと同じ、高さが8mmほど高くなります。レンズを引っ込めたときの感じはオリンパスワイドのようなものです。
フィルターはレチナのf2.0やf2.8と同じものです。幸いなことに私の手元には兄貴の失くしたレチナのものが11種類もあります。その関係で、ビトーに代わり活躍しそうです。(2005/8/11)
若干の不満・・・フィルム送りの精度があまりよろしくない。と、いってもこの時代以降のミノルタの一眼レフクラスでも駒間隔が揃わないものが多かったのも事実です。ニコンFのように駒の間が必ずパーフォレーションの穴を避けてあるなどと言う精密なものは例外です。送り機構が巻き取り軸優先らしく、途中でパーフォレーション切れを起こしましたが、そのまま巻上げが続行できました。これは駒間隔不ぞろいの原因にはなりますが、フィルム送り不能と言うトラブルからは逃げられますからありがたいことです。(2005/8/12)
カラートにぴったり役立ちグッズ
カラートはスプリングカメラでも前ブタの無いタイプです。レンズキャップをしないと何時もレンズはむき出しです。フィルターが捻じ込みなので少し助かります。
私のカラートにはキャップが無いので困っていましたが、今回素敵なものをゲットしました。ドイツ製のラバーレンズキャップでCENEI(セナイ?)と言うメーカーのもので当然古いものです。ゴミのようなごちゃ混ぜ商品の中に一つだけ入っていました。レチナなどにはかぶせのフィルターの方が便利なのですが、このカラートにはフィルターと一緒に捻じ込んで取り付け、普段は折り返しておくと写真のようにレンズ全体の保護にもなります。お勧めのアクセサリーですが何処を探せばいいのやら分かりません。ただ、この世に存在することは確かです。私の物についているフィルターはA1・スカイライトです。
ワンタッチで撮影体勢になりますし、、フードが面倒と言うこともなくなる優れものです。
カラート・ビトー・レチナの比較は ここが違う有名三種 にあります。
カラート36の英語版のマニュアルがアップされています。このマニュアルは無料です。私のとは少し違う古いバージョンです。レンズ・シャッター・巻上げレバーの形などは違いますが、操作そのものは同じです。
→→→ KARAT 36・マニュアル(英語)