ZEISS IKONTA 35
イコンタ35  522/24

 ツァイス・イコン 西ドイツ 1952
 イコンタ 35
  レンズ ノバー 45mm 3.5 〜16  前玉回転
  シャッター プロンターSV
 B 1〜300 セルフタイマーつき

試写結果・・・

  ツァイスの35mmスプリングカメラの普及機です。高級機は連動距離計内蔵のコンテッサになります。
 こちらは距離計がなくシンプルなものです。コンテッサと呼ばれるものやイコンタと呼ばれるものがあり、レンズもテッサーつきと普及用のノバーのもの、シャッターもコンパーのものとプロントのものがあります。これは組み合わせからすると一番安いグレードになります。
 コダック・レチナ、フォクトレンダー・ビトー、アグファ・カラートと50年代くらいの35mmスプリングカメラを揃えると、ツァイスのものだけが欠けている感じになります。しかし、コンテッサは高くて手が出ないのでこちらに手を伸ばしました。
 機構的にも二重露光防止以外は何も付いていないし、セルフコッキングもボディレリーズもないものです。コンパクトには仕上がっています。
 巻き上げの部は底面になります。
 レンズの向かって左上がレリーズレバー、右上がレリーズ機構とそれを利用したレリーズ取り付け場所です。

    前蓋は飛び出した後一段下に押し付けて「カチン」と言うところでロックします。閉める特はたすきの白い台形部分を内側に押します。
 巻き上げは底のノブで軽く巻き上げられますが、操作性はいいとはいえません。このカメラばかり使っていれば問題はないと思いますが、レチナCシリーズと言い、巻上げが底にあるのはどうも馴染めませんね。
 ちなみに、このカメラもドイツのカメラらしくフィルムを入れないとテストシャッターも切れないようになっています。それを制御するスプロケットは径が小さく歯車の数の少ないものが二つ並んでいます。
 フィルム室は削りだしのレールを二本配した丁寧なものです。カメラ作りに対するツァイスのこだわりが見られます。

   
 フィルム送りは上の写真のように右から左・・・逆方向です。通常のものとネガがひっくり返ったものになります。
 シャッター周りはスプリングカメラに多い形で決して視覚性も操作性もよいものではありません。スプリングカメラに慣れていないと戸惑うかもしれません。
 非常にコンパクトでシンプルに作られたしっかりしたカメラです。
 本当はテッサー付が欲しいですね。そうしないと有名4社比較の中でツァイスだけが普及用のレンズになってしまいます。 
 このカメラは当初シャッターが動きませんでしたが、経年変化による油切れなどでした。整備していただいて正常に機能しています。
 このカメラもeBayのオークション品です。

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