KODAK SIGNET 35
コダック・シグネット 35

 コダック シグネット 35
 アメリカ イーストマン・コダック社 1951年〜

 レンズ コダック・エクター 44mm f3.5〜22
 シャッター コダック シンクロ300 B 25〜300 X接点コダック式接栓
 セルフコッキング無し 二重露光防止 二重露光用スイッチあり
 二重像合致式距離計連動
 フィルム交換・裏蓋着脱式

  

 非常にコンパクトにまとめられたカメラです。ハーフサイズ並みともいえます。
 レンズは定評のあるエクターが付いていますから、近年になって見直されたカメラです。ただし。カメラの作りはやはりUSAコダックの製品です。ドイツコダックのレチナとは全く違うものです。シャッターも1/300までしかなくシンクロもコダック式で今となっては不便なものです。それでも、このコンパクトさとレンズのよさは特筆物です。
 S・・・・シャッターボタン C・・・・前シャッターコッキングレバー・後絞り調節レバー
  F・・・・シンクロ接栓  D二重露光用スイッチ

日本では割合と少ないボディ前面にあるシャッターボタンですが大きくて操作のしよいものです。セルフコッキングが無いのは慣れるまで戸惑います。二重露光が簡単に出来る等にしてあるのも面白いところです。二重露光が出来なくなってからはこの二重露光が意識的に出来るかどうかということが話題になるくらいでした。

 これも日本のカメラに少なかったものですが、露出の計算尺がついています。ただ、フィルムの選択がASA感度ではなくコダックのフィルム名になっているのがいかにもコダック的です。このカメラの時代はプラスXとかスーパーXX時代でまだトライXの表示はありません。
 非常に簡単なものですが実用上は十分なものです。
 皮ケースにはこれが見えるように穴が開けてあります。
 ファインダーは倍率が小さいですが割りと見よいものです・

 カメラの金属部分が普通のカメラと少し違うのはアルミダイキャストではなくアルミ板だからです。多分ものすごくへっこみよいものだとおもいます。
 R・・・・巻き戻し用レバー
 上から見たものですがほとんどのところに張り皮がしてある結構手の込んだものです。
 巻き上げ、巻き戻しノブは大きいので結構軽くて操作はしよいものです。シャッターボタンはレンズがせり出しても位置が変わらないようにボディに付けるという配慮もされたものです。このカメラ、当時としては珍しく接写レンズなしで2フィート(60cm)まで接写できます。ただ、パララックスがあるのとレンズが準ワイド的な44mmなので効果は?ですがセールスポイントとしては十分だったでしょうね。カウンターは手動です。
 付属の速射ケース
 上等の皮とはいえませんは丁寧に作られています。
 コダック・レフレックスについているもの同様、前蓋を止めるボタンなどは真鍮のごついものが使われています。色も明るい茶色でこれがUSAコダックのスタイルなのでしょうね。
 前蓋も外れるので良く出来た速写ケースです。ケース留めのネジには三脚穴が無いのでケースを取らないとつけられません。
 このストラップは外して直接カメラにも取り付けられますが金具ではないので面倒です。