白黒写真   その1

 かつては写真と言えば白黒であった。写真館では人物用に少し茶色の仕上げにしてあったものです。
 台紙に張った、少し茶色の写真、めかしこんですました写真、これが日本の家族写真でした。
 見合い写真は、写真館の腕の見せ所・・・原版が大きかったので『修正』したのです。分からないように美人に見せる・・・みやげ物の底上げみたいなものでした。
 色の氾濫する今の時代、このモノトーンの世界に引かれて、モノクロ写真を始める人も結構居るようです。
 カラーと違い、押入れの中ででも「暗室作業」が出来て自分流の写真を作れるのです。
 写真屋さんに作ってもらう作品と一から自分で作る作品・・・・分かると思います。
 あとは保存の問題です。白黒写真は処理がきちんとされていれば100年でももちます。私が子供のときに焼いた写真が全然色も変わらずに残っています。そのずっと後のカラー写真は・・・・・なのです。

フィルムによるちがい

御神木 清滝
MINOLTA α7700i コシナワイドズーム19mm
オリパン400 パンドール
NIKOMAT EL GN NIKKOR45mm R1フィルター
KONIKA 赤外 f5.6 1/60

 同じモノクロであるが左は通常のフィルムでしっとりとした情感がでるのに対し、右では赤外フィルムによる非日常的光景が出現しています。真っ白な部分は雪ではなく新緑です。手前の木は松で普通の葉ですから普通に写っているのです。
 今、フィルムが手元に無いからサンプルを出せないが、複写用のミニコピーを使うと、さらに違った世界が現れます。
 このように、白黒の世界でもフィルムの違いだけでも表現は変わります。
 今でも、セピア仕上げも出来ます。こうした世界を自分で作れるモノクロームの世界をぜひ覗いてみてください。