Microcoed Mk II
ENGLAND
マイクロコード II


 Microcord  Mk II
  マイクロコード II
  M.P.P 英国 1953年
      レンズ ロス・ロンドン。エクスプレス 77.5mmf3.5
      シャッター プロンターSVS B 1〜300
     スタートマーク式セミオートマット巻きとめ 120フィルム

 マイクロフレックスと言うクランク巻上げの機種もありますが非常に少ないです。このマイクロコードでもイギリス国内以外ではあまり売れていないので、オークションでも英国からの出品がほとんどです。
 レンズは定評のある、ロス・エキスプレスなのですが、英国のカメラ全般が人気が無く、売れなかったようです。
 昔から、このレンズゆえにファンが存在するカメラです。
 オーと巻きとめは付いていますが、セルフコッキングが無く、ローライコードと同じ様なものです。
 マーク I との違いは、フィルム巻上げがIIになってスターとマーク方式になり信頼性が向上した頃です。
 
 側面

 何の変哲もない物です。
 左上の巻き上げノブの真ん中のボタンを押して巻き上げれば、次のコマで止まります。
 私の個体ではコマ間隔は割合と正確に揃っています。
 右上の小さな丸窓はカウンターですが裏蓋と連動して0に戻ります。
 フィルムを入れて裏蓋を閉めると自動的にスタートして1枚目で止まります。12枚撮りきるとフリーになるのも、一般のセミオートマットと同じです。
 底面

 これも、非常に一般的な底面です。
 三脚穴のうえにある金具の根元側を廻すと、先の部分が延びてロックを外します。
 この方式はロックする時にかなりの強さで裏蓋を引き寄せるので光線漏れなどの心配も少ない物です。
 三脚穴は純正のままだと大穴です。
 今でも、普通の三脚穴に変換するアダプターが市販されていますから、心配は要りません。


 レンズ部分の下側になる所、左側のポッチがシャッターボタンです。カメラを構えて右下で押し込むのは一般的に一番多い形です。真ん中へんのがシャッターコッキングレバーです。
 このカメラのレリーズ穴はシャッターボタンではなく反対側に独立して付けられています。
 裏蓋ドア

 このカメラはここまでしか開きません。
 ほんの少し開き方が足りないので普通のように構えると、『蓋が閉まってきてフィルム装填がしにくい物です。頻繁にフィルム交換しながら使うことも無いですが、一寸したことで配慮が足りないような気もします。
 フィルム室

 特に内面反射防止の工夫はされていません。
 普及機の格付けですから当たり前なのかも知れません。
 赤い点は一般的なスタートマーク合わせのしるしです。
 フィルムは下から上に巻き上げられます。ほとんどの二眼レフカメラはこの方向です。次のコマが90度折り曲げられて待機しているので、平面性に問題があるのではないかと、随分議論されたものです。
 ミノルタ・オートコードは上から下に巻くとる方法を採用し、宣伝に使ったくらいです。
ピントグラス面

 お世辞にも明るいとはいえません。
 フレネルレンズの無いものは、ピント合わせに苦労するものです。
 こんなに周囲との差があるわけではありませんが、この写真で明るく写っている範囲がようやくピントの見える範囲です。
 これで、ピントグラスが明るければ・・・
 カメラ全景

 こちらサイドは非常に汚れていますが、この写真の後で拭き取ったらきれいになりました。
 到着した時のままです。
 
 レンズフードはローライのものをつけていますが、バヨネットサイズはB1で同じなのですが、金具の向きが違うのでマークが上に来ません。
 実用上は全く問題ないのですが、不思議な感じがします。これは上下のレンズの間隔がローライなどとわずかに違うので、こうしたのではないかとも言われています。
 フードは使えますが、レンズキャップは合わないということです。

 シャッター速度と絞りの調節は上下レンズの間、左右にあるダイアルで行い、値はビューレンズの上に出ろ方式です。
 シンクロ接点はMとXで、ターミナルは右の肩にあります。残念ながらアクセサリーシューがありません。ストロボと使う時はブラケットが要ります。