Voightlander Bessa
フォクトレンダー ベッサ
スコパー105mm

モノクロ試写

 フォクトレンダー ベッサ
 レンズ スコパー105mm 3.8 ノンコート  
1937年ごろ
 シャッター B 1 〜 200

 今年の春は黄砂が多く、晴れればかすむと言う日が多くて困りました。
 この日も天気はいいのですが見事に霞みました。
 県道新鹿佐渡線の中腹から新鹿湾を望んだものです。近景から遠景になればどんどんかすんでしまいます。しかし、近景の木の枝などの描写は年代を感じさせないものです。
 フレアーが出てきてもおかしくない条件でもきちんと枝一本一本が出ています。コントラスト、諧調もきちんとしています。戦前のものとは思えません。優秀です。
 ベッサはこの型の前のファインダーにガラスが無いものから戦後までつくられ、色んなバージョンがあります。レンズも普及型のフォイターから始まりこの個体のスコパーそして最上級のヘリアーまで色々付けられています。一般的にはこのスコパ−が高級とされています。
 ノンコートでこれですからコーティングの入ったカラー・スコパーの105mmを使ってみたいものです。50mmはビトーIIでテストをしていますがすばらしいものです。

 全般的に見るとイコンタ521/2のテッサーより少し柔らかめの感じがします。しかし、甘いのではなくきちんとした描写で味が柔らか目と言ったものです。
 ハーフトーンもきちんと出ますが、私の現像ではシャドーがつぶれ気味になります。コントラストをつけるのが好きなのでこのレンズ以外でもその傾向になります。
 ファインダーに関してはこの時代のものは非常に見難く、フレーミングには慣れるまで戸惑うと思います。特に一眼レフ時代の人は悩むかもしれませんが、慣れの問題です。ただし、2m位からこちらの近いものの時はパララックスだけは計算しないと大変です。

カメラ解説