珍カメ・変カメ

ボックス・おもちゃカメラなど

 昔も写真を簡単に撮りたい・・・と言う希望は大人にも子供にもありました。しかし、カメラと言うものが非常に高価でおまけに露出だピントだと結構難しいものでした。
 そこで登場したのが構造をとことん単純化した暗い箱に単純なレンズやシャッターをつけたボックスカメラの登場です。ベークライトと言う素材が出来てボディを正確に安く出来るようになり、入門用のカメラが次々と発売されました。
 さらに、もっと遊び心を一杯盛り込んだ『写真の撮れるおもちゃ』も登場しました。
 使うフィルムも様々、形も様々ですが、共通するのは『一応写真が撮れるもの』
です。
 近年でもロシア製のロモなどがマニアの間では使われています。一枚レンズなどのカメラがほとんどですから、独特の写真になる場合が多いです。

 カメラの画像はクリックすれば大きくなります。解説は個人的な見解ですし、実物を手に出来ないものばかりなので不正確な場合があります。あくまでも、参考程度です。
 実用上の評価ではないものが多いですから、めぐり合えても自慢の種にするつもりでゲットしてください。持つことが楽しそうと言う基準で収録してゆきます。

アグファ クラック
AGFA CLACK
アグファ
ドイツ
ドイツ・アグファが作った入門用の6*9カメラです。1954年から65年ごろまで、長い間色んなものが出ています。単速シャッターで調節の無いものから少し機能を付けたものまであるようです。
日本のフジペット的なカメラです。
アンスコ クリッパー
ANSCO CLIPPER
アンスコ
アメリカ
ベークライトボディの入門者用のスプリングカメラです。アクセサリーシューが装備されていますからアメリカらしくこの手のカメラでもシンクロ接点は装備されているはずです。多分127
コダック クレスタ
KODAK CRESTA
コダック
アメリカ
コダックのオールベークライトの入門カメラです。1950年ごろからの生産ですが、コダックらしくシンクロ接点も装備され、性能的にはダイアナとは比べ物にならないレベルのカメラです。120フィルムの使えるコダックとしては珍しいカメラです。
コダック
バンタム シリーズ
KODAK BANTAM

注意
コダック
アメリカ
コダックが35mmフィルムがカメラに使われだした頃に提唱して推し進めた828と言う28*40の規格のフィルムを使うものです。
このフィルムは製造されていませんが国内でレモン社が加工販売しているようです。従ってかなり高価なフィルムにはなりますがどうしても撮りたければ可能と言うシリーズです。
海外のオークションでは大量に出ていますがそのつもりで手を出してください。このフラッシュ・バンタムなどはT・B・25〜200に4.5〜16、距離調整つきのきちんとしたカメラです。
コダック ブローニー
タ-ゲット620
KODAK BROWNIE
TARGT SIX-20
コダック
アメリカ
コダック社が大量に送り出したボックスカメラの一つです。とにかく写ればいいという作りですが、アメリカ人の気質に合ったのかこうしたカメラが大量に売れました。こうしたカメラ+フラッシュで条件のいかんにかかわらず露出など考えなくて済む作りです。620
コダック ブローニー
タ-ゲットブルズアイ 620
KODAK BROWNIE
TARGT BULLSEYESIX-20
コダック
アメリカ
一連のターゲットシリーズの中では新しいものと思われます。専用フラッシュ装着したこの形のまま持ち運ぶことが多かったようです。
ストロボではなく消耗品のフラッシュをふんだんに焚くなどという贅沢は戦後の日本では考えられないことでした。620
コダック ブローニー
ホークアイ
KODAK BROWNIE
HAWKEYE
コダック
アメリカ
典型的なコダックのボックスカメラです。決して携行性が良い訳でもありませんが、このスタイルのカメラを持ったアメリカ人が世界中をうろついた時代があります。暗ければフラッシュをたくということで写真は誰でもすぐに、常に撮れるということを重視したカメラです。
コロネット ビクター
CORONET VICTOR 127
コロネット
英国
比較的きちんと作られたベークライト製127カメラです。シャッターは50と100絞りが11と16になり、距離調節とアクセサリシュー、シンクロ接点装備です。ASA100のフィルムを前提にした初心者用の物と思われます。127
スナッピー
SNAPPY

日本
16mm?の裏紙付きのフィルムを使ういわゆるスパイカメラと言われるものですが、これには標準OPTAR25mm3.5と望遠CHERRY40mm5.6が用意されシャッターもB・25・50・100があり本格的なものです。大きさははば4cm位の親指サイズです。
スパルタス プレス フラッシュ
SPARTUS PRESS FLASH
ガルター・プロド
アメリカ
これぞアメリカンスタイル・・・真昼間以外はフラッシュ焚いて写しちゃおうと言うカメラです。詳細は分かりませんが、フラッシュバルブの大きさから推測するとボルダ判くらいのフィルムでしょうね。赤窓式ですから35mmではありません。懐中電灯ではありません。
ダイアナ
DIANA
   ウィンザー
    WNDSOR
   ドリーズ
    DORIES
   ステラー
    STELLAR
   アニー
    ANNY
香港 世界でおもちゃのカメラと言えば「DYANA」といわれるほど有名な入門用のカメラです。このタイプはF型ですが、専用のフラッシュなども用意されています。香港製で絞りが三段晴天f16曇りf6.3暗がりf4.5と、近・中・遠のゾーンフォカスになっています。一応写ると言うレベルですが、一台1ドルとかの投売りで数が出たようです。
 ダイアナには120タイプと620タイプがありますが共に画面は4*416枚撮りと言う変則な使い方をします。アメリカからの取り寄せの場合は620のものがありますから気をつけてください。このクラスをためし取りするのに620の手配をするのは大変ですからね。
 下に列記した名前も同じものです。
テンゴー(ル)
TENGOR
ツァイス
ドイツ
ツァイスのボックスカメラで戦前からかなりの種類を作っていたようです。6*9の大形の物もあるようです。レンズやその他に関しては、他のツァイスの高級カメラとは一線を隔したもので、入門者用に作られたもののようです。今では実用ではなくコレクション用のものです。
TOYOCA 35ーS
トヨカ35−S
東郷堂  1957  トヨカフレックスや色んなカメラを世に出した東郷堂のカメラです。戦後のメーカー乱立時代の終わりを告げる頃のものです。
 レンズは普及型銘玉といわれたトリローザが載っています。
 このようなカメラではサモカが頑張っていましたが、このカメラも輸出を中心に製造されたものと思われます。
 戦後の普及機の終焉期の記念的なものかと思われます。
写りはそれなりのものかと思われます。
ヒット
HIT
 クラウンCROWN
 チャーミーCHERMY
日本 超小型のおもちゃカメラの筆頭に上げられるのがこの『ヒット』です。輸出用に名前の違うものが出ているようです。「クラウンCROWN」「チャーミーCHARMY」も同じものと思われます。専用のフィルムを使用しますが、内外通じて大量に販売され、このようなカメラを「HIT TYPE」と呼ぶくらいの名機です。
フジ ペット 35

FUJI PET 35
日本  6*6のフジペットに続いて出された35mm判の入門機です。左指でシャッターをチャージして右指で切るフジペット方式です。
 この二つのフジペットで写真を始めたカメラ小僧も多かったものです。
 フィルムメーカーの作ったものですから、おもちゃライクなカメラでも一応きちんとした写真が撮れるものです。
 シャッターも4速、絞りもある見かけによらないものです
 希少価値できれいで動くものはかなり高くなっています。
フル・ビュー
FUL-VUE
エンサイン
英国
二眼レフに見えて二眼レフにあらず。実態はデザイン優先の入門用ボックスカメラです。前玉回転ゾーンフォーカスのピント合わせと簡単なシャッターの組み合わせです。
戦後すぐ1940年に英国でカメラを作ろうと言うことで開発されたのが高級機の『コマンド』とこのユニークな格好のフル・ビューです。戦前には四角い普通のボックスカメラがあり、その名前を継いでいます。10年度に改良されて少しましな二眼レフになりました。アメリカの新進デザイナーのデザインだとか言いますこの型がユニークです。
 性能は二の次で、そのユニークさが受けてかなりの数が売れたようです。
ボイヤー パリ 8
BOYER PARIS
ボイヤー
フランス
 一見本格的な沈胴式のカメラに見えますがシャッターが25と100とTだけ、絞りが1と2という代物です。
 どうやらフランス製らしいのでそれだけでも珍しいものになります。フィルムは620か120??
LOMO LCA
ロモ LCA
ソ連・ロシア  ロモのカメラの内でスペック的には興味のあるものです。
 レンズは32mmというワイドが載っています。シャッターも2秒から1/500という本格的なものです。露出は残念ながらEEになってしまっています。
 レンズに日本製が使われていると言う話も聞いた事があります。ロモというメーカーからいうとスペックの割りにちゃちなのは止むを得ないでしょう。
 スライド式レンズカバーが付いているのでフィルターが自由に使えません。ワイドだけにフィルターを使って空を落とすとかしたいものです。
 このカメラ、結構高値になっています。下手に買うとレチナIaよりはるかに高いものになります。面白そうですが手を出しにくい代物です。