珍カメ・変カメ

135フィルム使用

 135フィルムと言えば35mmフィルムです。1960年以降では一番ポピュラーなフィルムです。それだけに発売されたカメラの種類は一番多いと思います。その分、色んなカメラがあるのですが、カメラと言うものが進化して形が定まってきたので、意外と変なカメラは近年出無いですね。珍しいものでも、あまり新しいものは省きます。

 カメラの画像はクリックすれば大きくなります。解説は個人的な見解ですし、実物を手に出来ないものばかりなので不正確な場合があります。あくまでも、参考程度です。
 実用上の評価ではないものが多いですから、めぐり合えても自慢の種にするつもりでゲットしてください。持つことが楽しそうと言う基準で収録してゆきます。
  2005/4/20

カメラ名 メーカー 特徴 画像
PEGGY l
KRAUSS Stuttgart
クラウス
ドイツ
1931
黎明期の35mmカメラです。イエナ・テッサーにコンパー1/300が載り、前板繰り出しでピント合わせをします。翌年には距離計連動になっています。1912年にジョージ・P・スミスによって始められた24*36の35mmカメラは1925年のライカ0型1925年1型1927年WIRGINのエディネックス1930年のFOTHデルビーと急速に進化しこのペギーが1932年に翌年にはライカll型・スタンダードが出され確立しました。35mmスプリングカメラの完成形の一つです。今の粒子のフィルムであれば文句なしの写りをすると思います。完動品はかなり高価です。関連資料は『資料リンク集』から『黎明期の35mmカメラ』へどうぞ。
CLARUS 35
クララス35
 アメリカ
 非常に珍しいアメリカ製のフォーカルプレーン、ライカマウントの35mmカメラです。シャッターも1/1000めであるようですがカメラとしての性能はいかがなものでしょう。
 バルナックのように距離計窓とファインダーが別になったスタイルは一見新しく見えて設計思想が古い気もしますが、アメリカのカメラではこのスタイルが結構後まで続きました。
 多分、信頼性とかではライカは勿論のこと日本製に及ばなかったものと思われます。
 珍しいのですが見かけが安いレンズシャッター機のようなもので目を引くものでもないのでかなりのマニア以外は分かってくれないものだと思われます。
GRAPHIC 35 JET
グラフィック 35 ジェット

 アメリカ・グラフィック社のユニークな35mmカメラです。性能的には平均的なものですが焦点合わせが変わっています。レンズの左右の上にある細長いボタンを押すことでレンズを前後させます。その動力が圧縮空気と言うのがアイディア的には面白いものです。実用上は大いに疑問です。この方式は普及しませんでした。
 この会社はかの有名なスピグラを作ったところです。レンズのグラスターも平均的な性能を持っています市、スタイルもあまりかカメラ的ではないものです。
 見てみたい、動かしてみたい・・・しかし金を出して買うほどでもなし・・・というジャンルのものかもしれません。
ZEISS IKONETTE 35
イコネッテ35
ツァイス
ドイツ
ツァイスの入門機です。レンズの横のレバーでフィルム巻上げとシャッターを兼ねているようです。コニカの巻上げと同じようなものです。プロントシャッター1/250までレンズはノバー45mm3.5ですが、プラスチックボディ・ビニール張りのものです。光漏れが多発して回収された様で残りで完全なものはどれだけあるやら・・・
1958〜60
ILFORD
ADVOCATE
 イルフォード アドボケイト
イルフォード
ドイツ
 アイボリーのエナメル仕上げのおしゃれなカメラです。Dallmeyer 35mm3.5と言うレズをつけ25〜200のシャッターの簡単なものです。ノブがごついのが残念な感じですが1950年代にこうしたカメラもあったのですね、
 実用よりもおしゃれで持つものでしょうか。
FINETTA 99
フィネッタ99
フィネッタ  なんともメカメカしいカメラです。詳細は分からないのですがフォーカルプレーンでレンズが交換できるようです。シャッターも1/1000まであるのですからなんとも高級なおもちゃと言う感じです。標準レンズはフィネター45mm2.8です。
 実用品としてではなくコレクションとしては面白そうなカメラです。
ヴィテッサ
VITESSA
フォクトレンダー
ドイツ
フォクトレンダーの35mmカメラの中ではこの型が一番特徴的です。ヴィっテッサもあとの型になってくるとふつうのレンズシャッターカメラになってしまいます。これは観音開きの前蓋と煙突のように長く突き出た巻上げヒストンガ目を引きます。この長い棒を押し込んでフィルムの巻上げとシャッターチャージをします。速写性を重んじたものです。片方の普通のものがレリーズボタンです。この長いピストンは前蓋を畳む時にはボディに収まってしまいます。
 ユニークな方式でしたがやはり機構的には無理があったようで、一般のレバー巻上げに軍配が上がり、廃止されてゆきました。
 しかし、このユニークな機構とフォルムの美しさは特筆物でしょうね。
オリンパス ワイドS
OLYMPUS WIDE S
オリンパス
日本
 ありふれたオリンパス35Sではありません。名機オリンパスワイドの進化形です。1957〜58年のもので、ズイコー35mmf2.0に1/500というスペックを誇ります。外観はオリンパス35Sの形をしていますが、このワイド版は少ないです。カロワイドなど、ワイドのカメラが出された時代です。当時とすればワイドレンズは35mmでした。スナップ専用の35mmワイド機にf2が必要か、距離計は必要か・・・と言われたものです。旧型のオリンパスワイドより一回り大きくなっています。結構高値です。
KODAK KARDON
コダック  カードン
アメリカ
コダック
 これはライカではない。レオタックスでもありません。コダックの作ったライカコピーです。本来は軍用に開発したようです。これは民生バージョンだそうです。
 レンズはエクター47mm2.0が着いています。アメリカンスタイルというか、レンズからボディへの連絡カムがアーガスのようにむき出しになった居ます。
KIEV 4a
USSR
キエフ4a
ソ連 コンタックスのデッドコピーからスタートしたキエフの最後の方のものです。よろい戸式シャッターもずっと使い続けています。
 4型になると不合理だった巻き取り軸も外れなくなりました。a型にはホットシューも付き「今のカメラ」になりました。シャッターは1/1000までに減っていますが実用上は充分です。
 光漏れのトラブルが取りざたされますが、きちんと動けばまさにコンタックスの近代判です。28mmクラスをつけてスナップに使うと楽しいでしょうね。値段もソ連製で比較的安いです。
 コンタックスコピーですから裏蓋は底まで取れる方式でニコンSやFと同じです。立ったままフィルム交換するのが難しい(笑)やり方です。
CONTAFLEX 860/24
コンタフレックス
 1935年
ツァイス
ドイツ
 ツァイスが昭和10年に出した35mmフォーカルプレーン・シャッターの高級二眼レフです。レンズ交換式で35〜135mmまで用意されたようです。
 ビューレンズが80mm2.8と明るくしてありますが、焦点距離が違うので距離は連動せず、ファインダーもアルバタファインダーになります。
 シャッターは金属幕のコンタックスのものと同じようです。1/1000までの高級品です。
 実用上は?のつくものです。確かに50mmとか35mmレンズを二眼レフでピント合わせはきついですから・・・
 当時としては最新鋭のセレン式露出計まで内蔵しています。
SAMOCAFLEX 35
サモカフレックス 35
日本  御存知、ミニチュア・おもちゃカメラの最大手のカメラですが、これはかなりの意欲作本格的カメラです。
 シャッターにはセイコーシャ・ラピッドを使い1/500まであります。レンズはEZUMAR 50mm2.8を使った二眼レフです。
 性能的にはボルセイより上なのかもしれません。
 残念ながら見たこともありません。
LUKYFLEX
ラッキーフレックス
イタリア  何とも35mmとしては珍しい形の二眼レフでおまけにイタリア製ときますから、これを持って歩けばクラシックカメラマニアの目を引くでしょうね。
 内部の写真で分かるように普通に構えると縦位置になります。この形の二眼レフは横に倒すのは苦手です。そういう意味では使いづらいかもしれません。
 決しておもちゃでは内容に作られたようですがイタリア製ということである程度どまりではないでしょうか。
 フードにコンツールファインダーがあれば横位置も楽でしょうがこの外観では無さそうです。
 上下のレンズの回転も小さな歯車を一つ介しています。50mm3.5のレンズが上下についていますが多分ピントグラスは暗いと思います。
 このカメラの絞りは昔たまにあった6.3とか12.5とかの系列で我々としてはなじめないものです。
 レバー巻上げなど、かなり意欲的なものです。
 この形にするなら24*24の真四角の方がいいような気もします。
TOYACA FLEX 35
トヨカ フレックス35
日本  これは日本製です。6*6の二眼レフを作ったりしたメーカーです。いわゆる四畳半メーカの中に数えられることが多い会社ですが、こんな面白いものも作ったのですね。
 普通の35mmカメラのレンズの横にビューレンズを並べたもので、スタイルとしては一見普通の35mmカメラです。
 レンズシャッターでシャッター音も低いので、結構盗み撮りを楽しむ向きに使われたものかもしれません。
 ここのほかのカメラからして一応の写りはするはずです。ただ、希少価値でかなり高い値段になっているようです。
 35mm二眼レフというジャンルも結構色んなメーカーが手がけていますが、結局のところ二眼レフにする意味があまりないネガサイズなのでどれも大成しなかったようです。
テナックス
TENAX
ツァイス・ドイツ
ZEISS
 1937年ごろ
24*24と言う真四角なフォーマットのカメラです。本来はツァイス・イコンとは別の会社のブランドだったようですが合併されていったようです。  レンズシャッター式で交換レンズもテッサー40mmf2.8
ゾナー 40mmf2オルソメタール 27mmと用意された意欲的なものでした。もちろん各レンズ共に距離計は連動します。写真の型以外にもありますが、後年ツァイスが普通の35mmカメラにもこの名前を使っていますから、気をつけてください。そちらはさほど珍しくありません。  見分け方はファインダーの窓が真四角のものが24mm角のテナックスです。    ただし、かなり高価だと思います。
ドリーナ
DOLLINA
セルトカメラ
Certo Kamera werke
ドイツ
戦前の35mmスプリングカメラですが単独距離計内蔵、クセナー50mm2.8、コンパー1/300と、高水準のものです。
 距離計調節用のダイアルが独特の場所で横に突き出しています。ファインダー周りはコンタックスを思わせるものです。
ネタックス
NETTAX528/24
ツァイス・ドイツ
ZEISS1936〜38
これはテナックスと同じようでも35mmフルサイズのものです。シャッターはコンタックスと同じ金属膜のフォーカルプレーンです。標準レンズがテッサー50mm2.8とオラレスト50mm3.5が、望遠にはトリオタールの105mm5.6が用意されていました。
 このカメラはコンタックスがありながらわざわざ違う機械を作ると言うツァイスの合併劇とかの歴史を物語るものでしょうね。決して愉快良いものでもなくコンタックスほどレンズも豊富でないものですから売れませんでした。珍しさに価値のあるものです。
パックスM2
PAX M2
大和光機
日本
キャノンではありません。パックスと言うレンズシャッターの35mmカメラです。戦後、色んなカメラを作って輸出した大和光機の製品でほとんど輸出に廻されました。国内では希少です。
 非常に小型に出来ていて『最小のライカ』などといわれたようです。レンズはルミノール45mm3.5、1/300までのシャッターに連動距離計と、1950年代中頃としては、高度なものです。M3とか色んな型があるようです。コンバージョンレンズもあったやに聞きますが、詳細は不明です。
 きちんと作られたカメラですがシャッターの粘りが出るものが多いようですが、この時代では当然でしょうね。
バルダマティックV
BALDAMATIC
バルダ
ドイツ
バルダ社の意欲作です。スプリングカメラから35mmへ、レンズシャッター機を作り続けたバルダがレンズ交換に挑んだものです。レンズの後ろにシャッターを置くビハインドシャッター方式でレンズのみをはずすものです。
 ずんぐりしたボディに連動距離計・セレン式露出計を詰め込んでいます。
 シンクロコンパーにOEMのバルダ/クセノン50mm1.9を装備しています。巻上げはレチナ2Bなどのように底面のレバーです。
フェニックス
FENIX
ワルシャウスキー
Warsawskie
ポーランド
珍しいポーランド製の35mmカメラです。東側諸国ではソ連とチェコでカメラが大量に作られましたが、他の国のものはあまり知られていません。
Euktar45mm2.8シャッターがB/1/10〜1/250X接点つきと、一応の基準は満たしたカメラです。非常にシンプルなデザインですがおもちゃではありません。
FOCA FLEX
フォカ フレックス
フランス
OPL社
フランスOPL社のレンズシャッター式35mm一眼レフです。ペンタプリズムを使わないでミラーで構成しているので頭が尖がらず軽くできています。スタイルはペンFと同じですね。接眼部からの光の逆流を防ぐシャッターがあるそうです。レンズはFOCA50mm2.8がついています。このあとにセレン露出計の入ったオートマティックも出ています。
 出っ張りを極力排したスマートなスタイルが魅力です。
ペリフレックス
PERIFLEX 1
コルフィールド
K.G.Corfield
英国
なんとも不思議な設計のカメラです。ピント合わせは軍艦上部のたてに覗くルーペ状のところ(ペリスコープ・潜望鏡)から、構図は外付けの丸いファインダーで・・・一眼レフでも無し、レンジファインダーでも無し、複雑で使いにくいだけの設計のような気がします。しかし、連動距離計が作れないので一眼レフ的発想で作ったそうです。
 シャッターは1/1000まで付いた意欲的なカメラのようです。  見たことも、使ったことも無いのですが、一度はお目にかかりたいものです。
 レンズはLUMAR50mm3.5が付いています。
 2型になると上から覗く潜望鏡がなくなったようです。
BOLSEY C22
ボルセイ C22
ボルセイ   1950〜56
アメリカ
35mmレンズシャッター二眼レフ
wollensak 44mm3.2
 なんとも奇妙なカメラです。二眼レフで連動距離計も内蔵しています。
 製作者はJacque Bolseyという人で、せんぜんにはスイスでカメラを作り始めました。この人の作品ではBolexが有名です。
 戦後アメリカに移民してこのようなカメラを作りましたが、日本とドイツの輸出攻勢の前に敗れました。
 このカメラを見るとそれももっともだと理解できます。
ZEISS HOLOGON 
SUPERWIDE
ホロゴン・スーパーワイド
西ドイツ  交換レンズでは有名なホロゴンを搭載した専用カメラです。
 16mmと言う超広角レンズとしては歪の少ない物として定評があります。絞りは開放のf8固定です。設計上普通の絞りを入れることが不可能なためです。周辺の光量不足を補うためにグラデゥエーション・フィルターを使います。
 今でこそこれを越える画角のレンズが設計されていますが出た当時は画期的なものでした。
 普通にカメラを握ると指が写るため特製のグリップを使った方が良いというものです。
 一見、おもちゃに見えますが、eBayに出て来ても2500$は軽く越えてしまいます。かといって実用性は???
マミヤ
マガジン35
MAGAZIN35
マミヤ
日本
こんなのもありました。レンズ交換ではなくボディ交換カメラです。一見何の変哲も無いカメラですが、軍艦やエプロン部分とフィルム部分が分かれます。後のマミヤの中判カメラの思想をレンズシャッターの35mmに持ち込んだものです。二種類のフィルムを使えると言うことですが、これだけのことをするとコストがかかり・・・・
レンズはセコール50mm2.8、セイコーシャMXL。当時としてはスタンダードな仕様です。
ロボット 
 スター25
ROBOT STAR 25
オットーベルニング
OTTO BERNING
ドイツ
何の変哲も無い35mmカメラに見えますが、テナックス同様135フィルムで24*24の真四角の写真を撮ります。そして名前の通り、ぜんまい仕掛けでフィルム巻上げを行い、二回ほど巻くだけで24枚撮り一本が撮れるようです。今なら常識のことを1960年代にやっていました。日本では「リコーオートハーフ」がこれをやりました。
 レンズはクセノン40mm1.9、シャッターはB・1/4〜1/500の本格派です。