Schneider Tele-Xenar
シュナイダー・テレ・クセナー

360mm f5.5

 Schneider Kreuznach  ドイツ
   リンホフ・テレ・クセナー 360mm f5.5 2群4枚
    シャッター コンパウンド   
       T 1 2 5 10 25 50 75 100  F 5.5〜32
        シンクロ接点あり
    イメージサークル 230mm 4×5   
    新品価格(当時) 1139$

 鏡胴にリンホフのネーム入りの古い大判用レンズです。
 リンホフ用に納めた物ですが、マークのある無しは中味に関係はありません。

 ドイツのレンズで『テレ』と付く物は、望遠タイプでバックフォーカス・フレンジバックが短くなるように設計されています。
 普通だと蛇腹の繰り出し量は360mmだと無限遠の時でも36cmとか必要です。
 この繰り出し量はスピグラとかリンホフとかのプレスやフィールドカメラの蛇腹の能力を越えています。
 まして、中距離などの撮影にはまだまだレンズを繰り出さなくてはなりませんから、少し位の持ち出しの細工では済みません。
 このテレ・クセナー360mmはテレ設計のおかげで、無限遠の蛇腹繰り出し量は約22cmほどです。
 この位置からでしたら、スピグラの4×5の蛇腹繰り出し能力の30cmで十分近距離までカバーできます。

 360mmといっても、6×9で使うと、35mmフィルム換算では156mmにしかなりません。
 ワイドを使うことも多い私にとってはものすごく長い玉にはなります。
 モノクロ風景写真でなら6×9で使っても結構高画質で遠景を取り込めそうです。

 なぜ、望遠域のレンズを増やしたのかと言うと、割安で落札できたからです。
 円高で90円台での清算になりますし、アメリカ向けオンリーの出品をお願いして日本向けに許可してもらったので安くなりました。
 日本人との競り合いになると、私の予算では勝ち目が無いですからね。


f11

f22強
 360mmと言っても6×9では有効被写界深度は35mmカメラより深いとされています。
 この被写体までは2.5mくらいです。
 深くなったと言ってもやはり360mmです。左のf11くらいまで絞ってもすぐ後ろの実はボケ始めています。
 後ろの塀までは更に4mほどですが、完全にボケています。
 右のf22間で絞ると後ろがブロックであることが判別できます。

 描写は思ったより硬くも仕上げられそうです。
 ボケは素直です。
 画角もそこそこ狭いですから、庭園などで被写体を引っ張って、後ろをボケさせるのには適したレンズのようです。

 シャッターの径が大きいこともあり、絞りの間隔が16 22 32と上がっても広いので中間も使えます。
 更に、1/50と1/100の間に1/75というものがあります。
 常用速度での中間シャッターとして取り入れたものと思います。
 コンパウンドシャッターならでしょう。