備え・・・石垣

 木本町の海岸沿いの家は目の前が熊野灘になります。
 国道の海側には全国でも一番とも言われる海抜の堤防が築かれています。その外は七里御浜の砂利浜です。しかし、家からは見ることは出来ません。
 かつては堤防が無く幾度と無く津波・高波に泣かされて来ていました。
 こんなに高い堤防があれば・・・と、外部の人は思われるでしょうが、この堤防をも既に波は越えています。

 古くからある住宅には石垣があります。そして写真の溝は材木を落としこんで閉鎖するためのものですが、このように備えをしてきました。
 田舎町の常で、玄関にも鍵をかけないくらいの土地なのに、人ではなく波を入れないために景観を犠牲にしてまで築いたのです。堤防が無かった頃は石垣を無くせば早いまで見通せる位の広がりがあったそうです。
 近年ではこの不便な石垣を撤去してしまった家が多くなっています。
 駅から海に向かうとすぐにこの堤防にぶつかります。鋼鉄のゲートが付いた出口から熊野灘が見えます。
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