Olimpus 35S
オリンパス35S
Eズイコー2.8
OLYMPUS 35S
オリンパス 1955年
レンズ Eズイコー 45mm 2.8 〜16
シャッター セイコーシャMX B 1 〜 500
このカメラの試写を終えての印象では非常に評価しにくいものでした。
ありえないことに昼間の写真にブレがあるように感じました。セイコーシャのシャッターの音はコンパーに比べ頼りないのですが、フィルムのコマごとの露光はほぼそろっているのでシャッターが遅いと言うことも無いとは思うのですが・・・近代式シャッターレリーズの感覚が狂ったのでしょうか。
それを除けばズイコーはきちんと物を写し取っています。中級機の位置づけですからそのレベルで見ればEズイコーは非の打ち所の無いレンズだと思います。適度な硬さと柔らか味もあるレンズでしょうね。
この機体の様にレンズが健在であれば、今日でも実用機として復活させられるものです。
全般的に無難な描写でしょうね。
人物を撮ることの多いファミリーユースのカメラですからガチガチ硬派のレンズは具合が悪いでしょうし、かといってポートレート用のカメラではないのですからホンワカ軟派のレンズでも具合の悪い訳です。そういう意味では無難な味付けをしたものかと思います。
普段使う中判のテッサーなどは『キリリ』と写ることを目的に作られたものですから若干違いがあるように思えます。
この時代になればレンズもテッサーの4枚を越えてたくさん使って歪も消し色補正もして味付け次第でもっと硬い物は作れたはずです。少なくともオリンパスズイコーなら可能だったはずです。これはニッコールやロッコールの味の違いの素だと思います。戦前から戦後すぐの写ればいいだろうという時代のレンズとは違いますからね。
私の昔の写真はこのレンズではなく、Gズイコー1.9でした。残っているネガはレンズが新品当時のものです。印象ではそちらの方がもう少し硬かったのはGズイコーとEズイコーの差なのか経年変化によるものかは分かりません。
下の写真は昭和32年ごろのものです。
一枚目は中学生の私にオリンパス35S1.9を買ってくれた祖父です。敬意を表して載せます。
これは多分昭和32年の正月ごろかと思います。この時代、フィルムが貴重だったせいか、子供だったせいか風景を撮った写真はほとんどありません。家族、同級生、遠足、修学旅行などの物ばかりです。鶏が写っているなんてフィルムの無駄の時代だったのです。