FLEXARET V
フレクサレット 5

 フレクサレット 5型
   メオプタ社 ・チェコスロバキア 1955年
  レンズ ベラー(ベラール) 80mm3.5 〜 22  3群4枚テッサー型
       ビューレンズは3.0のアナスティグマット付
  シャッター プロンターSV ドイツ製  B 1 〜 300
  120フィルム使用
  スタートマーク式自動巻きとめセルフコッキング
  アダプターで35mmフィルム使用可能

 チェコスロバキアにある東側諸国では最高とも言われる光学メーカーのメオプタ社が作った二眼レフで、1型から7型そしてスタンダードなど色んな型があり、非常に長く生産されたものです。
 レンズ下の距離合わせのレバーが特徴で、ミノルタではつまみが一つなのに対し、フレクサレットではこのV型から二つにし、レバーが何処にあっても指が届きよいように改良されました。
 フレクサレットと言うとグレーの外装のVIがたが一番多く見かけられます。5型と6型では35mmフィルムを使用するときには大きな違いがあるのとフードがバヨネットになったのとが大きく違いますが、カメラ本体はほとんど変わらないものです。5型のほうがうんと安いので写真を撮るならこちらのほうがお得です。
 最後の型の7型は改良は進んだのに社会主義国の弊害が現れ、シャッターなどの品質が落ちているので買わないほうが良いなどといわれています。普通なら型が新しいほうが痛んでいなくて良いものなのですがこのフレクサレットは例外のようです。
 このフレクサレットは古いものは三枚玉のミラールですが途中から3群4枚のベラーに変わっています。このバラーの切れ味は素晴らしいものです。近々、試写のページもアップします。

 右側
A
 フィルム巻き上げノブ
 何の変哲もない物ですが、裏蓋を明けると引っ張り出せるようになっています。フィルムのメモなどもその状態でセットするようになっています。

B
 コマ数カウンター
 スタートマーク式オートマットで裏蓋を明けるとカウンターは自動的にお0に戻ります。120を使う分は普通の通りで結構です。

C
 135用10コマカウンター
 フレクサレットは35mmフィルムのアダプターを使うことを前提にして作られているのでカウンターの不足をこのダイアルでカバーするようになっています。120の時には関係ありません。

S
 シャッターボタン
 不思議な位置にあるのですが、実際に操作してみるとカメラを握りつぶすように押さえるのでブレの少ない方法です。イコフレックスは上下に握りつぶすのですがこれは前後になります。
 左側

 アクセサリーシューが付いている以外は非常にすっきりしています。
 フィルム装填用のノブが下の一つしかありません。これは裏蓋を開けると巻き上げノブが引っ張り出せるので必要なくなったのです。
 後の一番上にある小さなつまみが裏蓋開閉用の物です。安全装置が付いていて、このつまみをねじ込んでおくと引っ張れなくなり裏蓋が間違って開くことが無くなっています。安全装置の無いものがたまにありますがこれは設計者の姿勢かと思います。
 レンズ下の距離つまみがこちらに来ていますが、右手側のつまみはまだまだ届く所にあります。二個に増やした効果は抜群です。
 フィルム室
A 送り代感知ローラー
 フレクサレットは歯車を使わずこのローラーでフィルムの送り代を感知しています。私のものはスリップが無い様でコマが揃っていますがやはり滑る個体もあるようです。
 外の太い部分で6*6のコマを制御し、中の細い部分で35mmの制御をさせます。太さを変える事で同じ巻き代で送りの長さを変えるというアイディアです。35mmのパーフォレーションは使いません。
B 
スタートマーク
 これはどのカメラも同じ物です。ここにスタートマークをあわせ蓋を閉めると後はオートマット、セルフコッキングです。
C
 裏蓋開閉金具
 これを引っ張ると蓋が開きます。蓋をしてねじ込んでおくと引っ張れなくなるので間違って裏蓋が開くと言おうことはありません。
このカメラのライトバリュー  このカメラには『ライトバリュー』が導入されています。
 シャッター優先と思えるような設計の物です。
 オートコードLのように足し算してあわせるのではなく。シャッターが決まった時のライトバリューに絞りをあわせると言うものです。そして一度セットするとシャッター速度を変えても絞りがついてくると言うものです。
 レチナCシリーズのように操作しにくいものではありません。普通のシャッター・絞りの調整と同じ感覚で行えますから、邪魔にはなりません。