その1

  今の時代、写真と言えば色が付いていると思われている。初期のカラーフィルムに比べ発色は格段に良くなっています。私達がなけなしの金をはたいて購入した、カラーフィルムはISO/ASA感度が10と言うものでした。と言うことは、今の感覚のASA400からすると40分の1です。露出で5段階以上の差です。あの頃のカメラの標準はF2.8のレンズくらいです。絞り開放にしてもシャッターが1/60(50)がせいぜいです。普及機ならF3.5ですから1/30(25)ですね。曇りだと大変です。もっとも曇りだと、フィルター無しでは青くなってしまい駄目でした。レンズシャッターが多かったのもあり、手持ちで1/25を皆さん使っていましたがね。
 シャッター速度の表示が少し変でしょう? むかしは1/二・5・10・25・50・100・(200)250・300(500)と今とは違う配列になっていました。倍倍になっていませんね。それでも問題なかったのです。シャッター速度の精度もそれほどでもなかったようですしね。戦前のドイツのコンパーは1/400まで作っていましたが、日本では戦後も長い間1/200から1/300でした。
 話を元に戻します。最初は
ポジカラーでした。鑑賞するのも不便で普及しませんでした。アメリカでは簡単なビューアーが普及してスライドが随分楽しまれたようです。
 その使いにくいカラーフィルムからネガカラーになり、プリントも地元で出来、価格も下がって爆発的に普及しました。  『色っぽいと言うことは、いいことなんよーーー、いいことは進んでやてみるもんよーー』のCMソングとともに日本中に広がりました。そうするうちに、ポジカラーはプロとマニアのものになってしまいました。印刷原稿にはポジが要求されていましたから、パンフレット用用とかになると、ブロニーのポジを探し回りました。
 駅や地下街のバックライト入り看板の写真が「オヤ?」っと思うほどきれいに見えたことありませんか?光が透けてくる美しさなんです。赤ちゃんの肌が明るいところで目茶きれいなのも、肌を光が抜けてくるからなんです。
 ぜひ、ポジを使ってその美しさを自分で味わってください。
 モニターは透過光ですから、きれいにも見えますが、ドット数が少なく、きめが粗いので表現し切れません。そして、ポジからのものとネガからのものとの区別しにくいです。第一、モニターの色は一台一台違いますからね。


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